[こんにちは。空の写真を撮ったので送ります。ジョットさんがいるところの空は、どんな感じですか?よかったら、外に出て写真を撮ってみてほしいです]
イタリア語で書いたメールを送信し、目の前の黒い扉を見つめる。
修学旅行で行く先がイタリアだって聞いてから、ずっとこのときを楽しみに待っていた。
朝のうちに、今日ジョットさんはカリアファミリーの本部にずっといるって聞き出しておいたし、すれちがうこともない。
スマホを制服のポケットにしまって、しばらく待っていると、ガチャ、と目の前の扉が開いた。
そして、視線を落としたジョットさんが、黒いスーツに身を包んだ姿で外に出てくる。
バクッバクッと鼓動が速くなって、大好きな人に視線が吸い寄せられたまま、動けなくなった。
人の気配に気づいたのか、視線を上げて私を見たジョットさんは――目を丸く見開いて固まる。



