《殺した》
《ふむ…まぁ、金が返ってくるのなら、取り引きした品物をお返ししてもかまいません。しかし…》
無表情でなんの感慨もなく言いきったジョットさんの横顔に見惚れていると、「その女を拘束しろ」と中川さんの声がした。
え、拘束?と思ってジョットさんの顔から視線を離したとき、グイッとだれかに二の腕をつかまれる。
「わっ!?」
《ナミ!》
横に引っぱられるまま体勢をくずした私を引きずって、一番私の近くに座っていたヤクザさんが、私の両腕を背中側でひとまとめに押さえつけた。
《失礼、彼女を野放しにしておくことはできないもので》
《…離せ。その子は一般人だろう》
私を引き止めそこねたジョットさんの右手がグッとにぎりこまれる。
眉間にシワを寄せたジョットさんに にらまれて、中川さんはツンとあごを上げた。



