「あ、はい」


《ナミ、なんて言っている?》


《ここで待ってるように、って。座っていましょう》




 私の返事を聞いて客間から出ていったコワモテさんを見送って、ジョットさんに笑顔を向けた。

 和室単体はなじみがあっても、日本家屋(かおく)のなかに入るのは初めて。

 なんだかそわそわしちゃうな、と思いながらローテーブルの前に移動すると、ジョットさんはとまどったように聞く。




《座る?どこにだ?》


《あ、和室は初めてですか?ここの座布団に座るんです》




 振り向けば、ジョットさんは目をパチクリさせて、ものめずらしげに座布団や、和室のなかを見まわしていた。

 新鮮がってる顔がかわいい…!

 にやけながら用意されていた座布団の上に正座すると、ジョットさんもとなりに来て、私の足を見つつ、正座しようとする。