眉をひそめるジョットさんが疑問を言いきる前に、私たちの前にある木製の門扉が開かれる。
視線を向けると、ジャケットを脱いだスーツ姿の、コワモテな男の人が門扉の向こうから出てきた。
「ん…?なんだ、おまえらは?」
「あ、こんにちは!私たち、今日お取り引きしたあぶないおクスリを返していただきに来たんですけど…」
「あん!?」
話を終える前に、コワモテの男の人が眉間に深いシワを作って、いかくするように私をにらむ。
思わずビクッとはねた肩に大きな手が乗って、《お、おい》とジョットさんが私の顔をのぞきこんできた。
《なにをしゃべった?》
《あ、今日取り引きしたおクスリを返してほしいって言いました》
《いきなり言ったのか…!?》
《はい》



