《あの、あぶないおクスリを探してるんですよね?》
《…なぜ、それを知っている》
ジョットさんは眉をひそめる。
《私、イタリア語がわかるので、あの男の人と日本人のお兄さんがおクスリについて話しているのを聞いて、捕まってしまって…》
《…そうか》
ため息をついて、ジョットさんは私のうしろに視線を向けた。
ついつい視線の先を追って振り向きかけると、またジョットさんの手に目元をおおい隠されて、胸がキュンとする。
《アレはうちのシマに流れたのを、カリアファミリーが回収したものだ》
《…ジョットさんもカリアファミリーの人、なんですか?》
顔の向きをもどしながら聞けば、ジョットさんは《あぁ》とうなずいた。



