…と言った具合で、性格は玉にキズ。

 高校に入って修行――1人暮らし――をしたいと両親に願い出た彩姫のお(もり)役として、若王子夫妻にたのまれ、去年から彩姫と2人暮らしをしている。




「王賀くん、聞いて!今日も私、かっこよく人助けをしたんだ」




 彩姫は王賀のだらけきった姿を気にすることなく、ソファーにかけ寄って、ふわふわのカーペットが敷かれた床にしゃがみこんだ。




「ほつれちゃった髪を結びなおしてあげたり、重い荷物を持っていた先生のお手伝いをしたり」


「あっそー」




 すぐとなりで、先生にほめられたできごとを親に報告する子どものように、無邪気(むじゃき)な笑みを浮かべている彩姫をチラリと見て、王賀は気のない返事をする。

 彩姫はそんな王賀のようすを見ると、眉を八の字にして口角をわずかに下げた。