ほぅ、とため息をもらして、うっとり彩姫を見つめる乙女たちのささやきに気づくことなく、彩姫はむかえに来た車に乗りこむ。
赤い唇のはしをすこし持ち上げてごきげんに、パッチリと開いた理知的な青い瞳は、なにかを探してガラス窓の向こうを見つめた。
白い鼻にかかった長い前髪は、彩姫が顔を動かすたびにすこしゆれる。
彩姫の凛とした美貌をなによりも“かっこよく”引き立たせているのは、頭部を丸く包み、えりあしで はねた青いショートヘアだ。
動き出した車が10分程度走行を続け、高層マンションのエントランス前に止まると、彩姫はスクールカバンを持ち、後部座席から降りた。
「今日もありがとう。明日もおなじ時間によろしくね」
「はい、お嬢さま」



