星を救いたいわたしと、かりそめのあなたたち

*

あの後、救急車で運ばれたサイカくんは、そのまま病院に入院することになった。
宇宙人さんたちを専門的にあつかう病院に。
目の前に迫る現実が、あまりにも現実離れしていて、心が追いつかない。

「サイカくん、大丈夫かな……」

別れ際に見たサイカくんの寝顔が、心に引っかかっている。
押さえきれない不安が、胸の中でふくらんでいく。
悲しくてたまらない。

「もし、このまま、何も手がかりをつかめなかったら……」

のどに詰まっていた言葉が、ぽろりとこぼれ出る。
これ以上、言っちゃだめだって思ったけれど、こらえきれなくて弱音が飛び出した。

「サイカくん、消えちゃうんじゃ……」
「眞中さん。そんなこと言ったらダメだ!」

わたしの不安をかき消すように、周防くんがきっぱりと言い切る。

「サイカは、俺たちを信じて待っている。だから、絶対に諦めたらダメだ」

それを聞いて、わたしは自分が恥ずかしくなった。
サイカくんは最後に待っている、って言っていた。
それなのに、肝心のわたしたちが諦めたら、そこでサイカくんの希望は潰(つい)えてしまう。
しみじみと感じていると、周防くんが切り出した。

「攻略本には、何か書かれていないのか?」
「サイカくんを星に戻す方法しか書かれていないみたい」

その問いかけに、わたしは噛みしめるようにつぶやいた。

「なら、宇宙図鑑の時みたいに、小さな情報から手がかりを探っていくしかないな」
「そうだね」

星おこしの攻略本は分厚い。
でも、まだ、時間の猶予はある。
残りを全力でやれば、きっと。
何だかうずうずしてきて、思わずこぶしを握りしめていると。

「よし。早速、ラウンジに行って、攻略本、かたっぱしから調べようぜ!」
「うん!」

その自信に満ちあふれた顔を見ていると、諦めるのはぜんぜん早いんじゃないかって思えたんだ。