仏の顔も三度までですわ!愛人と夫のツケ、すべて返していただきます

「前回の守衛さんは守ってあげられずに悪いことをしたわ。
でも、屋敷の人事権は私が握っているの。あなたに万が一のことがあっても、別の役職を用意できると思うのよね。
あとは、あなたが誰の指示に従うかの判断だけど…」

もう手段は択ばない。
公爵夫人としての権限を最大限利用してやるんだ。

「しかし…」

おお、まだ抵抗する?忠誠心の強い優秀な守衛なのね。
仕方ない…もう一押しするか。

「あなた、シェリーナ様に直接雇われたわけじゃないでしょう?お給料はアーデン家から出ているのよね。それを管轄しているのは誰だと思う?」

「…っ!」

「直属の上司に忠誠を誓う姿勢は素晴らしいことだわ。だけど、大元がどこにあるのかの理解はとても重要よね?」

「……ご案内させていただきます」

守衛は深々と私に頭を下げたあと、部屋まで誘導してくれた。

「ありがとう。あなたのこと高く評価するわ」

ニッコリ笑顔で賞賛しておく。
守衛に連れていかれたのは、階段からもっとも奥にある部屋だった。
私に乗り込まれた後、簡単に侵入されないように部屋を変えたのだろう。

「ありがとう。あなたは下がっていいわよ」

扉をノックしたあと、私は返事を待たずに部屋に乗り込んだ。