仏の顔も三度までですわ!愛人と夫のツケ、すべて返していただきます

「そうそう、せっかくだからランドリックの顔を見せてちょうだい。抱っこしたいわ♡」

鉛のように重い空気の中ではしゃぐキサラ。
公爵夫人として、複雑な人間関係を渡り歩いてきたんだろうな。
機転が利かないシェリーナが動かないので、キサラの専属侍女が「ランドリック様をお連れくださいますか?」と、シェリーナの侍女に頼んだ。

その後はキサラの独擅場。
連れて来られランドリックを「かわいいかわいい」とたくさん抱っこし、満足すると私に「では行きましょう」と声をかけ、颯爽と部屋を出て行ってしまった。
慌てて続く私。
部屋に入ってから出るまで、私一言もしゃべらなかったよ。

「お義母様、ありがとうございました」

私は心からお礼を言った。

「とんでもない。こんなことになるまで放置してごめんなさいね。
あなたがしっかりしているから、つい任せてしまっていたの。
これからは、もっともーっと私を頼ってください」

キサラの言葉に、思わず涙が出そうになった。
私、自分の母親にもこんなに優しい言葉をかけてもらったことない。

「本当にありがとうございます。お母さま」

私はもう一度心からのお礼を伝えた。何度伝えても伝え足りないくらい嬉しかった。