仏の顔も三度までですわ!愛人と夫のツケ、すべて返していただきます

「ランドリックが優秀に育つのが嫌なんでしょう?自分の無能さがバレてしまうから」

何を言い出すんだこの人は…。

「あなたに邪魔されてたまるものですか!
そこのあなた、デルバートを呼んできて、そしてこの女を追い出してちょうだい」

指名された侍女はうろたえた。
すべての事情を知っている侍女でも、今シェリーナの指示に志賀うのは、男爵令嬢が公爵夫人を「この女」呼ばわりしたことを認める行為だもんね。

「わかりました…。私が部屋に戻ります」

私は立ち上がり、ランドリックを侍女に渡した。
そのとき、彼女だけに聞こえるように「ランドリックになにかあったら、あなたたちの責任にされるわよ」と囁く。
侍女の表情が恐怖に歪んだ。

「今日のことはデルバートに報告するから」

部屋を出るとき、シェリーナが言葉を投げつけてきた。
私は何も言わずに部屋を出た。
出て行った部屋から「ランドリックを渡しなさい!」というシェリーナの声が聞こえてくるが、どうやら侍女たちが休息を説得しているようだ。
今日のところは、これ以上無理な行動をしないと思うけど、心配だ。

それにしても、まさか…こんなことになっていたなんて…。
毎日のことなのだろうか…。
だとしたら、ランドリックの笑顔が消えていくのも当然だ。虐待そのものだもの。