仏の顔も三度までですわ!愛人と夫のツケ、すべて返していただきます

私は窓の外を眺める。
広くて隅々まで手入れされた侯爵家の園庭には、色とりどりの花が咲いていてとってもきれい。
後で散歩でも行こうかなぁ…と思ったところでドアがノックされた。

「どうぞ」

「失礼いたします」

現れたのは、もう一人の専属侍女ユミナ・ヨンキムだ。
彼女は私より少し年下の18歳。栗色の髪とこげ茶の瞳の持ち主で、どことなく暖かな雰囲気がある。

「おはようございます。アリステラ様。まずはお着換えからいたしましょう。今日はどのドレスになさいますか?」

ユミナが大きなクローゼットルームの扉を開くと、ドレスがどっさりかけられていた。

「今日って、とくに予定はなかったわよね?」

「はい。今日はアリステラ様がゆっくり疲れを癒していただけるよう、デルバート様から仰せつかっております」

「じゃあ…これにするわ」

私は水色で動きやすそうなドレスを選んだ。
朝食後に屋敷や園庭を散策しよう。

「はい!かしこまりました」

元気に返事をしてくれるユミル。なんだかかわいい。
着替えが終わるとユミルは紅茶を用意してくれた。
優雅に飲みながら待っていると、ロフィが1人の男性を連れて料理を運んできた。
彼は料理長で、公爵夫人になった私に、1つ1つ丁寧に食事の説明をしてくれた。
テーブルにはとても1人では食べきれない品数が並べられる。
料理長は退室し、ロフィとユミルが後ろに控えるなかで、私は朝食を口に運んだ。