仏の顔も三度までですわ!愛人と夫のツケ、すべて返していただきます

「ミラーネは今人見知りが激しく、いきなり知らない乳母を連れてきては負担になると思います。
それに、ミラーネはあなたに似て聡明です。言葉もかなり早く、もう二語文も出ています。安易に私から引きはがすと、何を言い出すかわかりません」

「オレに意見するのか?」

「現状をお伝えしているだけです。
ミラーネは公の場に出る機会も多いですから、彼女の言葉で社交界に疑惑が生まれるリスクは否定できません」

「そうか…。で、何か案はあるのか?」

突然聞かれて、私は必死に頭を働かせた。

「そうですね…。猶予期間を作るのが良いと思います。
例えばですが、来週から別邸に移るとしても、前回のつわりが重かったので大事をとるという理由にして、ミラーネも一緒に別邸で暮らすのはいかがでしょう?
そうすれば、ミラーネが迂闊に外部の者と接触する機会が減らせます。
私は徐々に体調不良の演技を始めるので、お腹が目立つ頃…そうですね、シェリーナ様が妊娠7ヶ月ごろから別々に過ごすのが良いかと思います。
そうすれば、第二子が生まれても、ミラーネは私が生んだと理解するでしょう」

「ふむ…」

デルバートは腕を組んで考えている。
私はただミラーネと離れる期間を少しでも短くしたいだけだった。
きっと悲しむから。

「そうだな。考えてみよう。
君は1週間後に別邸に移る準備を始めておいてくれ」

デルバートは短く私に指示を出すと、寝室を出て行った。
どうか、少しでもミラーネと一緒にいられますように…。