仏の顔も三度までですわ!愛人と夫のツケ、すべて返していただきます

「私の子だってみんなに言いたかった…。
ミラーネを素敵なレディに育てて褒められたかった…。
デルバートの隣でパーティーに出席したかった…。
私が妻だって言いたかった…!!!」

そしてシェリーナはシクシクと泣き始めた。
あなたのしたかったこと全部、私はしたいわけではなく押し付けられただけなんですけど…。
それでも、逃げられないから自分なりに少しでも前向きにやろうとしてるよ?
ミラーネを育てるのは、褒められたいからじゃなくて、親に愛された実感を持って大人になってほしいからだよ。
あまりにも身勝手なシェリーナの言い分には呆れるしかない。
それでも、目の前で泣かれると、シェリーナを哀れに思ってしまう。

「ユミナ、シェリーナ様を自室へ送ってあげてくれる?」

「私を追い出す気!?」

しおらしく泣いていたと思いきや、急に噛みついてくるシェリーナ。

「追い出すもなにも…。私にできることはありませんから、ここにいてもシェリーナ様が不快な思いをするだけですよ?
そろそろデルバートも仕事を終えて帰ってくる頃ではないでしょうか。お部屋にお戻りいただいた方が、シェリーナ様も心穏やかでいられると思います」

「そうやって、おいしいところを私から奪っていくつもりでしょ!?」

はぁ…。
ため息が出てしまった。
夫に溺愛される「おいしいところ」を享受しているのはシェリーナなのに、なぜ私が奪う側になると思うんだろうか。

「私にそんな力があると思っていらっしゃるのでしょうか?
私はデルバート様の命令に従うだけの無力な存在です。
さあ、そろそろお帰りください。私ではなくデルバート様にお話ししたほうが、シェリーナ様の要望は叶うと思いますよ」

精一杯優しく促すが、シェリーナはグズグズと文句を言いながら居座ろうとする。
これは、もう私に嫌がらせしたい一心の行動だな。発言が支離滅裂だもん。
私は根気よく言い聞かせ、ようやくユミナにシェリーナを送らせることに成功した。
ふと視線を落とすと、ミラーネがすやすやと眠っていた。
この口論の中眠れるなんて、なかなか強くていいじゃん。