仏の顔も三度までですわ!愛人と夫のツケ、すべて返していただきます

「ここだけの話だけど、ミラーネが乳母に育てられているときは、足を運ぶのを遠慮したものよ。
最上階まで行くのも大変だし、とにかくあの部屋はピリピリとした空気だったから」

そんな話を、私だけにこっそりしてくれることもあった。
思えば、キサラは子どもに愛情を注ぐタイプの親なのよね。
嫁いだ2人の娘の話も楽しそうにしていたし、デルバートに至っては何でも許すほど溺愛しているから、当然孫も可愛くて仕方ないんだろうな。

夜泣きは相変わらずだけど、ロフィとユミナに助けてもらったり、時間があればお昼寝をミラーネと一緒にしたりして、育児と仕事、公爵夫人としての役目をなんとかこなしていた。
大変だけど、充実した毎日と言えなくもないかな。

大変でもそれなりに楽しく過ごせるのは、シェリーナが接触してこないことがとても大きい。
ミラーネを引き取ったあの日以来、シェリーナは私の前に現れない。
もともと、屋敷ではシェリーナを隠す傾向が強かったのもあるけど、それにしても我が子がどうしているか気にならないのかと心配になるほど、徹底して姿を現さないのだ。
なお、シェリーナは乳母の肩書を手放してから、再びデルバートの専属秘書に戻ったそうだ。

ちなみに、デルバートもほとんどミラーネに会いに来ない。
公爵家として夫婦で出席するパーティーののときなどは、ミラーネの顔を見てそれなりにかわいがるポーズはするけど、自ら会いに来たことは一度もない。
もしかしたら、シェリーナへの配慮で、ミラーネとの接触を避けているのかもしれない。
自分は両親の愛情を一身に受けながら、自分の子どもに愛情を出し惜しみするデルバートには正直呆れちゃうけど、イライラするのも時間の無駄なので割り切ろうと努力した。