仏の顔も三度までですわ!愛人と夫のツケ、すべて返していただきます

それから地獄の日々が始まった。
私の顔を見てもストレスたまるだけだろうに、シェリーナは毎日私を部屋に呼びつけた。
侍女たちに害が及ばないよう、私は1人で部屋を訪れるようにした。
そして、シェリーナの悪口雑言をただひたすら共感するふりをしながら聞き流し、ときには食器や小物を投げられても耐え、邪魔された仕事は寝る時間を削って対応した。

そんなある日、私は熱を出して倒れてしまった。
ストレスと疲労が原因だと思う。
さすがに発熱者を妊婦に会わせるわけにはいかず、熱が下がるまではシェリーナとの接触がなかった。
熱で辛かったけど、とても久しぶりにゆったりした気分になれた。
当然のように、デルバートが見舞いにくることはなかった。
まぁ…別邸に来てからのデルバートは、今までとは別人のように横暴だから、来てくれなくて助かったけど。

回復してからは、またシェリーナの悪口雑言を聞く日々だった。
数日間ゆっくり休んだからかな…。それとも彼女の話を冷静に聞けるようになったからか、シェリーナへの感情が徐々に変化していった。
シェリーナは本当にかわいそうな人だ。
好きになった相手との身分が釣り合わないせいで、そして、諦められないせいで、こんなにも複雑な立場に置かれ、自分の存在価値とデルバートからの愛情を確かめずにはいられないのだろう。
私をあからさまにいびって、それでも完全に味方でいてくれるデルバートを見て安心したいのかもしれない。

シェリーナを見ていると、リエルを思い出して切ない気持ちになった。
自分の望む形で愛情を示されないのは辛いよね。
だから、私はシェリーナの話を従順に聞き続けた。
正直しんどいけど、お腹の赤ちゃんのためにも私が耐えてあげるよ。