仏の顔も三度までですわ!愛人と夫のツケ、すべて返していただきます

「シェリーナ様、申し訳ございませんでした」

ロフィーがシェリーナの前で土下座を始めた。

「許さないわ。あなたはクビよ!」

はぁ!?ありえない。

「公爵家の使用人の管理は私の仕事です」

「だったらアリステラ様に言うわ!この侍女をクビにしなさい!」

「お茶の温度に問題はありませんでした。医師の診断を聞くまでは判断いたしかねます」

「もう!いいからクビにしなさいよ!」

ヒステリーを起こすシェリーナ。
胎教に良くないんじゃ…。
でも、時間稼ぎできてるぞ。

そこへ、ユミナが医師を連れてやってきた。
私たちは心配するふりをしながら、シェリーナの手にやけどどころか少しの赤みもないことを確認。
これだけ人目があると、医師も嘘の診断をするわけにもいかず、お茶の温度に問題がないと明言させることに成功した。
さすがのシェリーナもばつが悪かったのか、その後すぐに部屋を出て行ってくれたけど…。

私はシェリーナのエスカレートする行動に危機感を持った。
たぶんティーカップをわざと落としたんだと思う。
私の周りにいる侍女たちを辞めさせて、私を孤立させたいのかもしれない。
今までは突撃してきたシェリーナをやり過ごすことばかり考えていた私。
だけど、これからはシェリーナに遭遇しないよう逃げ回るべきなのかも。
接触しなければ、文句のつけようもないはず。
私だけならまだしも、ロフィやユミナ、エミリーたちに害を及ぼすわけにはいかない。

その日以降、仕事の打ち合わせの場所は毎回変えるようにし、仕事がないときは部屋から出て、ランダムに別邸内をウロウロするようにした。