仏の顔も三度までですわ！愛人と夫のツケ、すべて返していただきます

私の発言に、シェリーナは秒の早さでキレた。

「私が口に運ぶものは、公爵家の赤ちゃんの栄養になるのよ。
あなたはその辺の侍女が用意したものを公爵様の赤ちゃんに与えようというの？
侍女頭は侍女のトップでしょう？私の世話をするのは当然のことよ！」

あーめんどくさい！
という本音を顔に出さないよう気をつけながら、私は頭を回転させた。
私もエミリーも悪者にならない言い分を…。

「侍女頭の仕事は侍女の管理で、実際にお茶の準備をするのは圧倒的に日頃世話役をしている侍女です。お茶を入れるスキルは侍女頭よりはるかに高いので、シェリーナ様に美味しいお茶を飲んでいただきたくて別の侍女に命じたのです」

「お待たせいたしました」

絶妙のタイミングでお茶を用意したロフィが登場。

「本日は隣国から取り寄せたカフェインゼロの花茶をご用意させていただきました。
お砂糖なしでもほんのり甘くて、それでいてビタミンたっぷりで、とても体に良いと聞いております。フルーツとの相性が良いとのことで、ベリーの盛り合わせも用意いたしました。
シェリーナ様のお口に合えば光栄なのですが…」

完璧な対応をするロフィに、心の中で拍手する私。
シェリーナは非の打ちどころのないロフィに文句も思いつかず、憮然とした表情でお茶を飲み始めた。
今日はこれで帰ってくれればと思っていたら…。