仏の顔も三度までですわ!愛人と夫のツケ、すべて返していただきます

「哀れだね…妄想を膨らませて自爆するなんて…」
「ミラーネ様たちがあんな低俗な女の子どもなはずありませんよね」
「アリステラ様はお子様たちをとても愛しておられますわ。他人の子どものはずありませんですよね」
「いつもデルバート様と仲睦まじい姿を拝見しておりますし…」
「デルバート様も厄介な女に目を付けられたものだ…」

ざわめく会場。
ふぅ…周囲は完全に私の方を信じたみたい。
嫌悪感を押し殺してデルバートと夫婦円満を演じてきたかいがあったぞ!

「どうして…どうして誰も私を信じてくれないの…。
デルバート、助けて…」

周囲の言葉を聞いたシェリーナは抵抗をやめて、デルバートに助けを求めた。
だけど、デルバートは動かない。
たぶん、動かないんじゃなくて動けないんだろうな…。腰抜けめ。

「どうして…どうして私ばかりこんなつらい目に遭うの…」

デルバートが反応しないことに絶望したシェリーナはシクシクと泣き始めた。

「もう放してさしあげて」

私は守衛に指示を出した。
寛容で慈愛に満ちた公爵夫人を演じるためだ。
開放されたシェリーナは膝間づき、今度はミラーネに縋り始めた。

「ミラーネ…あなたの母親は私なのよ…。
私の顔を見ればわかるでしょう?血のつながりを感じずにはおれないでしょう…?」

ずっと私の後ろに隠れるように立っていたミラーネは、私の隣に移動する。
心配で顔を見ると、青ざめつつも力のある瞳をしていた。