仏の顔も三度までですわ!愛人と夫のツケ、すべて返していただきます

「でも…僕がいなくなったら、シェリーナは泣くかもしれない…」

「それはランドリックの責任じゃないし、シェリーナは泣かないよ」

泣くかもしれないと思いつつ、それでもランドリックのために否定した。

「ランドリックはシェリーナ様のこと好き?」

「………わからない…」

そうだよね…。ずっと一緒にいたんだもの。
間違った方法だったとしても、シェリーナだってランドリックにたくさんの愛情を注いできたはず…。

「会いたくなったら、いつでも連れてってあげるよ。
ランドリックはもっと自由になっていいんだよ。
もちろん、お勉強も礼儀作法も大切だけど、がんじがらめで一方的に詰め込まれるのを耐えるのは違う。
毎日を幸せに過ごしながら、人とのつながりの大切さを学んで、もっと幸せになるために自分からお勉強するのが理想かな。
でも、今はきっとたくさん疲れているから、ゆっくり休んでこれからのことをお母さまと一緒にたくさん話そうね」

「うん…」

ランドリックは泣きそうな顔で私を見た。

「ランドリック、大好きだよ」

私はランドリックを抱きしめた。
ランドリックにとって、私はとても距離のある母親だと思う。
できるだけ一緒の時間を過ごしてきたけれど、シェリーナのそれとは比べ物にならないほど短い。
しかも、シェリーナは私のことを悪く言い続けてきた。
「大好き」と何回伝えても、心から信じられるようになるには時間がかかるかもしれない。
それでもいい。たくさんたくさん時間をかけて伝えていこう。
あなたは愛される存在。そこにいるだけで私は幸せになれるんだよと。

「お母さま…」

ランドリックがきゅっと私を抱き返してくれた。
なんだろう…愛しさが溢れてくるとともに、本当の母親から引き離した罪悪感が痛いほど湧き出してくる。

(絶対に幸せにする)

その罪悪感をかき消すように、私は自分に言い聞かせた。