魔法使いリリナのきらきらな宝石さがし

リリナが不思議(ふしぎ)に思っていると、リリナの前にライトブラウンの髪の女の子があらわれます。

女の子はきれいな髪をなびかせながら、リリナのことをじっと見つめていました。

女の子は魔法使いの三角のぼうしをかぶっています。

女の子が魔法の杖をもう一振りすると、リリナの頭の上のチューリップがぽんっ!ともう一つふえました。

「あなたがレッドストーン?」

リリナの前にあらわれた女の子は、リリナがあつめたシューティングスターを見て、ふんっと笑いました。

「まだこれだけしかシューティングスターをあつめていないの?」

女の子の言葉に、リリナはあわててルビーの森であつめたシューティングスターも門の前にならべます。

しかし女の子はまたふふんっと笑って、魔法の杖をヒョイっとふりました。

すると、大きな袋が出てきます。

そこには女の子があつめたシューティングスターが沢山つまっていました。

(うそっ! どう見ても30個はあるよ……)

それに魔法使いで、シューティングスターを集めているということは……

「あなたもジュエリーライトの候補者なの?」
「ええ。私はグリーンストーンのユナ。サクヤがリリナに負けたっていうから、リリナを見にきたのに、大したことないじゃない」

ユナの言葉にリリナはきずついて、うつむいてしまいます。

(うう、せっかくグリーンストーンの子に会えたのにっ……!)

同じくジュエリーライトをめざす者同士、仲良くしたかったリリナ。

しかし、ユナはリリナと仲良くする気はなさそうです。

落ちこんでいるリリナを見て、ユナは自信満々(じしんまんまん)にニコッと笑いました。

「ジュエリーライトになるのは、私になりそうね」

前までのリリナなら言い返すことはできなかったでしょう。

しかし、今のリリナにあきらめるつもりは一切ありませんでした。

リリナは顔を上げて、ユナと目を合わせました。

「ジュエリーライトになるのは、私よっ!」

ユナがリリナのあつめたジュエリーライトをもう一度見ています。

「シューティングスターを多くあつめた人がジュエリーライトになれるのよ?」

たしかに今のままではリリナは勝てません。

「でも、私は絶対にジュエリーライトになるのっ!」

リリナの言葉に、ユナはしんけんな表情に変わります。

「私だって負けないわ」

ユナはそうはっきりと言って、ほうきを出して帰っていってしまいます。

(行っちゃった……)

ユナがほうきで飛んだ方向を見つめているリリナに、ミミと小人たちが心配そうに近寄ってきます。

「リリナ、大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ。ユナに負けるつもりはないからっ!」

(でも、どうやってユナに勝てばよいのかな? もっとシューティングスターを見つけやすい場所……)

「あ、そうだ!」

リリナが何かを思いついたようです。

「ねぇ、ミミ。魔法の国が見わたせる場所ってないかな? そしたらシューティングスターを見つけやすいと思うの」

リリナの質問(しつもん)に、ミミがある場所を教えてくれました。

「それなら、魔法の国を見わたせる丘があるのっ! 一番上からなら、魔法の国がよく見えると思う!」
「じゃあ、そこに向かおう!」

リリナは小人たちにお礼を言ってから、ミミと一緒に魔法の国が見わたせる丘に向かうことにしました。