「ねぇ、ミミ。次はどこに行こうか?」
リリナがそう言うと、ミミがぴょこぴょこと両耳をうごかしながら、次に行く場所を考えています。
すると、ミミが何かを思いだしたようです。
「うーんとね、じつはこの魔法の国にはキララ様がいたお城と同じくらい大きなお屋敷がもう一つだけあるの。でも、そこはね……」
なぜかミミの言葉はそこで止まってしまいます。
しかしリリナは大きなお屋敷にわくわくが止まりません。
「そんなに大きなお屋敷があるなら、私も見てみたいっ!」
リリナの言葉にミミがコクンッとうなずきます。
「うん、そうね! とりあえず、そのお屋敷に行きましょう!」
ミミと一緒にお屋敷に向かったリリナは、すぐにミミの言葉が止まってしまった理由が分かります。
そのお屋敷はまっくらで明かりもついていませんでした。
それにおそうじをしばらくしていなかったようで、門や玄関がよごれています。
大きいお屋敷ですが、これでは中に入っても何も見えないでしょう。
ミミが不安そうにリリナの顔をのぞきこみます。
「このお屋敷は今度キララ様に魔法できれいにしてもらおうと思っていたの……。リリナ、どうする?」
リリナの目にうつるお屋敷はお城と同じくらい大きくて、リリナの魔法できれいに出来るか不安でいっぱいです。
(それでも、ほうきにも乗れるようになったし、ルビーの森ではサクヤに勝てたんだから!)
リリナは魔法の杖をギュゥっをにぎりしめます。
(おねがい、どうかっ!)
リリナが杖を一回ふりました。
シーン……。
そっとリリナが顔をあげると、目の前のお屋敷は変わらず、まっくらできれいになっていません。
(だめだった……)
リリナは杖をにぎる手から力がぬけてしまいます。
「こんなに大きなお屋敷をきれいにできる気がしないよ……」
その時、リリナの魔法を見ていたミミが何かを思い出したようです。
「そういえば、リリナのママはお掃除魔法が得意だってキララ様から聞いたよっ」
たしかにリリナのおうちはいつもママの魔法できれいでピカピカでした。
(ママなら何かアドバイスをくれるかも……!)
リリナはつえを振って、ほうきを出します。
「ミミ、私のおうちに一度戻ろう! ママに会いに行かないと!」
しかし……
リリナがほうきにまたがった瞬間、突然風がビュウッとふきました。
「わっ!」
風がおさまったと思いきや……いつの間にかリリナの目の前にはママが立っていました。
「こら、リリナ! 出かけるなら、ちゃんと言いなさい!」
いつものママの声です。
「ママっ!」
リリナがママにかけよると、ママの顔はやさしい表情にかわりました。
「キララ様からリリナがジュエリーライトの候補者に選ばれたってきいたわ。おめでとう、リリナ」
大好きなママからのお祝いの言葉に、リリナはうれしくなってママに抱きつきました。
ママもリリナをぎゅっと抱きしめかえしてくれます。
「むかし、ママもジュエリーライトだったのよ?」
「そうなの!?」
ママがジュエリーライトだったと知らなかったリリナはおどろいてしまいます。
「ママも、ジュエリーライトになるのはむずかしかった?」
「それはもちろん大変だったわ。でも、楽しいことも沢山あったの。リリナも同じじゃないかしら?」
ママが優しいひとみでリリナを見つめています。
リリナの頭の中に、ルビーの森でリスと仲良くなった思い出や、サクヤとたたかった思い出がめぐりました。
「うん、楽しいこともいっぱいあったのっ!」
ママはそっとリリナの頭をなでてくれました。
「その楽しい思い出が、きっとリリナの魔法をもっと上手にすると思うわ」
ママには、リリナがお屋敷のおそうじをうまく出来なかったことすらお見通しのようです。
「きいて、リリナ。魔法はね、リリナの大好きな人たちのいる世界を、もっときれいでキラキラにしてくれるものなのよ」
(魔法は私の大好きな人たちがいる世界をもっときれいでキラキラにしてくれるもの……)
その言葉でリリナの気持ちは変わりました。
リリナはママからはなれて、もう一度魔法の杖をにぎります。
「もう大丈夫そうね」
そう言って、リリナのママがおうちに帰ろうとします。
「ママ、待って!」
ママがリリナの方をふりむきました。
「私、絶対にジュエリーライトになるからまっていてね!」
「ええ。応援しているわね」
ママの応援がリリナをまた一つ強くしてくれました。
ママが帰ったあと、リリナはもう一度お屋敷を向きあいます。
(魔法は私の大好きな人たちのいる世界をもっときらめかせて……それで、私の大好きな人たちをもっと笑顔にしてくれるものっ! うん、もう大丈夫!)
リリナはニコッと笑って、笑顔で魔法の杖をふりました。
「このお屋敷をきれいにして下さいっ!」
ぽふんっ。
ぽふんぽふんっ。
なんとリリナの前に小さな小人たちが沢山あらわれましたっ!
ブルーベリー色のスカートをはいた女の子から、茶色のくつをはいた男の子まで。
沢山の小人たちはそれぞれほうきやモップを持っています。
「リリナ、私たちに任せてっ!」
「ぼくたち、おそうじ大好きだから!」
小人たちは次々とお屋敷をピカピカにしていきます。
たまにふわりとものをうかせたり、ポチャンと水を出したり、不思議な力をつかってお屋敷をそうじしているようです。
「みんな、ありがとう! リリナも一緒にお手伝いさせてっ!」
「じゃあ、リリナはお屋敷を魔法で明るく照らしてくれる?」
「もちろんっ!」
※ここでぬり絵。(ろうそくの火やシャンデリアのライトの部分だけ色がないお屋敷の中のイラスト。ろうそくの火やシャンデリアのライトに好きな色をぬれる)
小人たちと一緒におそうじしたお屋敷は、ピカピカできれいになっています。
「わー!」
きれいになったお屋敷は、大きなシャンデリアがかがやいていてとても明るいです。
それに宝石やドレスが沢山並んでいました。
小人たちがリリナの手を引いて、お屋敷に向かいます。
「ねぇ、リリナ! 一緒にあそぼう!」
リリナがそう言うと、ミミがぴょこぴょこと両耳をうごかしながら、次に行く場所を考えています。
すると、ミミが何かを思いだしたようです。
「うーんとね、じつはこの魔法の国にはキララ様がいたお城と同じくらい大きなお屋敷がもう一つだけあるの。でも、そこはね……」
なぜかミミの言葉はそこで止まってしまいます。
しかしリリナは大きなお屋敷にわくわくが止まりません。
「そんなに大きなお屋敷があるなら、私も見てみたいっ!」
リリナの言葉にミミがコクンッとうなずきます。
「うん、そうね! とりあえず、そのお屋敷に行きましょう!」
ミミと一緒にお屋敷に向かったリリナは、すぐにミミの言葉が止まってしまった理由が分かります。
そのお屋敷はまっくらで明かりもついていませんでした。
それにおそうじをしばらくしていなかったようで、門や玄関がよごれています。
大きいお屋敷ですが、これでは中に入っても何も見えないでしょう。
ミミが不安そうにリリナの顔をのぞきこみます。
「このお屋敷は今度キララ様に魔法できれいにしてもらおうと思っていたの……。リリナ、どうする?」
リリナの目にうつるお屋敷はお城と同じくらい大きくて、リリナの魔法できれいに出来るか不安でいっぱいです。
(それでも、ほうきにも乗れるようになったし、ルビーの森ではサクヤに勝てたんだから!)
リリナは魔法の杖をギュゥっをにぎりしめます。
(おねがい、どうかっ!)
リリナが杖を一回ふりました。
シーン……。
そっとリリナが顔をあげると、目の前のお屋敷は変わらず、まっくらできれいになっていません。
(だめだった……)
リリナは杖をにぎる手から力がぬけてしまいます。
「こんなに大きなお屋敷をきれいにできる気がしないよ……」
その時、リリナの魔法を見ていたミミが何かを思い出したようです。
「そういえば、リリナのママはお掃除魔法が得意だってキララ様から聞いたよっ」
たしかにリリナのおうちはいつもママの魔法できれいでピカピカでした。
(ママなら何かアドバイスをくれるかも……!)
リリナはつえを振って、ほうきを出します。
「ミミ、私のおうちに一度戻ろう! ママに会いに行かないと!」
しかし……
リリナがほうきにまたがった瞬間、突然風がビュウッとふきました。
「わっ!」
風がおさまったと思いきや……いつの間にかリリナの目の前にはママが立っていました。
「こら、リリナ! 出かけるなら、ちゃんと言いなさい!」
いつものママの声です。
「ママっ!」
リリナがママにかけよると、ママの顔はやさしい表情にかわりました。
「キララ様からリリナがジュエリーライトの候補者に選ばれたってきいたわ。おめでとう、リリナ」
大好きなママからのお祝いの言葉に、リリナはうれしくなってママに抱きつきました。
ママもリリナをぎゅっと抱きしめかえしてくれます。
「むかし、ママもジュエリーライトだったのよ?」
「そうなの!?」
ママがジュエリーライトだったと知らなかったリリナはおどろいてしまいます。
「ママも、ジュエリーライトになるのはむずかしかった?」
「それはもちろん大変だったわ。でも、楽しいことも沢山あったの。リリナも同じじゃないかしら?」
ママが優しいひとみでリリナを見つめています。
リリナの頭の中に、ルビーの森でリスと仲良くなった思い出や、サクヤとたたかった思い出がめぐりました。
「うん、楽しいこともいっぱいあったのっ!」
ママはそっとリリナの頭をなでてくれました。
「その楽しい思い出が、きっとリリナの魔法をもっと上手にすると思うわ」
ママには、リリナがお屋敷のおそうじをうまく出来なかったことすらお見通しのようです。
「きいて、リリナ。魔法はね、リリナの大好きな人たちのいる世界を、もっときれいでキラキラにしてくれるものなのよ」
(魔法は私の大好きな人たちがいる世界をもっときれいでキラキラにしてくれるもの……)
その言葉でリリナの気持ちは変わりました。
リリナはママからはなれて、もう一度魔法の杖をにぎります。
「もう大丈夫そうね」
そう言って、リリナのママがおうちに帰ろうとします。
「ママ、待って!」
ママがリリナの方をふりむきました。
「私、絶対にジュエリーライトになるからまっていてね!」
「ええ。応援しているわね」
ママの応援がリリナをまた一つ強くしてくれました。
ママが帰ったあと、リリナはもう一度お屋敷を向きあいます。
(魔法は私の大好きな人たちのいる世界をもっときらめかせて……それで、私の大好きな人たちをもっと笑顔にしてくれるものっ! うん、もう大丈夫!)
リリナはニコッと笑って、笑顔で魔法の杖をふりました。
「このお屋敷をきれいにして下さいっ!」
ぽふんっ。
ぽふんぽふんっ。
なんとリリナの前に小さな小人たちが沢山あらわれましたっ!
ブルーベリー色のスカートをはいた女の子から、茶色のくつをはいた男の子まで。
沢山の小人たちはそれぞれほうきやモップを持っています。
「リリナ、私たちに任せてっ!」
「ぼくたち、おそうじ大好きだから!」
小人たちは次々とお屋敷をピカピカにしていきます。
たまにふわりとものをうかせたり、ポチャンと水を出したり、不思議な力をつかってお屋敷をそうじしているようです。
「みんな、ありがとう! リリナも一緒にお手伝いさせてっ!」
「じゃあ、リリナはお屋敷を魔法で明るく照らしてくれる?」
「もちろんっ!」
※ここでぬり絵。(ろうそくの火やシャンデリアのライトの部分だけ色がないお屋敷の中のイラスト。ろうそくの火やシャンデリアのライトに好きな色をぬれる)
小人たちと一緒におそうじしたお屋敷は、ピカピカできれいになっています。
「わー!」
きれいになったお屋敷は、大きなシャンデリアがかがやいていてとても明るいです。
それに宝石やドレスが沢山並んでいました。
小人たちがリリナの手を引いて、お屋敷に向かいます。
「ねぇ、リリナ! 一緒にあそぼう!」



