魔法使いリリナのきらきらな宝石さがし

ルビーの森に向かうリリナとミミ。

すると、どこからかかわいらしい歌声が聞こえてきます。


ルビーの森は真っ赤なルビーがいっぱい〜🎵

ルビーの森はキラキラがいっぱい〜🎵

ルビーの森でキラキラと一緒に遊びましょ〜🎵


歌声を追いかけるように進むと、そこには……

リリナが見たことないほどキラキラな世界が待っていたのです!

(こんなにキラキラな世界があるなんてっ!)

リリナの気持ちはワクワクでいっぱいです。

木には沢山のルビーが(みの)っていて、空にもぷかぷかとルビーが沢山浮いています。

かわいらしい歌声を(かな)でていたのは、耳にルビーをつけた小さなリスでした。

目がくりくりのリスが、ちょこちょこと歩いてリリナの前までやってきます。

「ようこそっ、ルビーの森へ! ルビーの森は真っ赤なルビーが沢山あるんだよっ!」

他の仲間たちもリリナの前に集まってきたようです。

ルビーをしっぽにつけた黒猫(くろねこ)やルビー色のリボンをつけたアヒルまで。

ルビーの森は美しい赤色がきらめいている世界だったのです。

先ほど歌声をきかせてくれたリスがリリナのひざの上にぽすんっ!と座りました。

「あなたが《レッドストーン》?」

(ジュエリーライトの候補者(こうほしゃ)はそれぞれ、レッドストーン、グリーンストーン、ブルーストーンって呼ばれるってミミが言っていたよね。それで私がレッドストーン)

「うん、そうだよっ!」

リスがルビーのついた髪かざりをリリナにわたしてくれます。

「じゃあ、真っ赤なルビーはレッドストーンにぴったりね!」

リスはそのままリリナにルビーの髪飾(かみかざ)りをつけてくれました。

髪飾りはルビーのほかにお花や木の実もついていてとってもかわいいです。

「うん、とっても似合ってるよっ!」
「もらっても良いの?」
「もちろんっ! ここにはルビーが沢山あるもの!」

かわいいルビーの髪飾りをつけて、リリナの気持ちはるんるんです。


その時、だれかがほうきに乗ってルビーの森に向かってきます。


ヒュンッ!

ほうきがリリナの目の前で止まりました。

「きゃあ!」

(だ、だれ……!?)

そこにはリリナと同い年くらいの男の子が立っていました。

男の子の黒色の(かみ)はサラサラで、魔法使いの三角ぼうしをかぶっています。

「きみがレッドストーン?」

リリナが小さくうなずくと、男の子はむねに手をあてて、美しいおじぎをしました。

「ぼくはサクヤ。ブルーストーンとして、きみと同じくジュエリーライトの候補者(こうほしゃ)に選ばれた魔法使いだよ。きみの名前は?」
「私の名前はリリナ!」
「リリナ、これからよろしくね」

サクヤは乗っていたほうきから降りて、魔法でほうきをふわんっと浮かせて、くるくると回してキャッチしました。

(すごいっ! こんなにすごい子が私のライバルなんだ)

サクヤはリリナにある質問(しつもん)をします。

「きみもシューティングスターを探しにきたの?」
「うん!」
「じゃあ、負けられないな」

サクヤがしんけんな目に変わりました。

「シューティングスターはぼくの方が多く見つける。リリナには負けないよ」

サクヤの言葉にリリナはすぐに言葉を返すことが出来ません。

(私は勝てるのかな……ううん、勇気を出して! 絶対にジュエリーライトになるんでしょ!)

「私も負けないっ!」
「そうこなくっちゃ」

しかし、ルビーの森にシューティングスターがあるようには見えません。

「シューティングスターはどこにあるのかな?」

リリナがそうつぶやくと、リリナの後ろからミミがひょこっと顔を出しました。

「もしかしたら、ルビーの色に合わせて、シューティングスターの色を変えてからかくされているのかもっ……」
「え!?」

(たしかにミミがシューティングスターは色を変幻自在(へんげんじざい)に変えられるって言っていたよね)

サクヤもミミの言葉に興味津々(きょうみしんしん)なようです。

「シューティングスターが色を変えて、ルビーにまぎれているのか。おもしろいね。ますます負けられなくなったよ」

サクヤがリリナの顔をじっと見つめます。

サクヤの目は「絶対に負けない!」という(つよ)い気持ちがこもっていました。

しかしリリナも負けるつもりは全くありません。

リリナはサクヤと目を合わせて、ニコッと笑います。

「私が……」
「僕が……」

「「先にシューティングスターを見つけるっ!」」

※絵の中からルビーとは形の違う宝石(シューティングスター)を三個探す。(ルビーはハート型、シューティングスターは星形)