魔法使いリリナのきらきらな宝石さがし

「ついたっ……!」

リリナとミミは丘につくと、そこから丘の頂上(ちょうじょう)に向かいます。

道のりは長そうですが、リリナはあきらめません。

しかし、しばらく歩いているとミミの両耳がくたんっと曲がりました。

「リリナ。私、ちょっとつかれちゃった……」
「じゃあ、少し休憩しようっ!」

リリナとミミはちかくの切り(かぶ)に並んでちょこんと座ります。

もう日が沈みかけていて、まわりは少しだけ暗くなりはじめていました。

「ふぅ」

リリナとミミが休んでいると……

キランっ。

何かが光りました。

キランッとした光はきれいで、リリナはつい光の方へ走ってしまいます。

(シューティングスターかもっ……!)

リリナが光の方向に向かうと、そこにはユナが立っていました。

光は、ユナが周りを照らそうとした魔法でした。

「ユナっ!」

リリナの声にユナがこちらをふりむきます。

「リリナもここにきていたの」

ユナがまた魔法の杖をヒョイっと一振りすると、まわりはさらに明るくなります。

しかし、ユナはまわりが明るくなっても、魔法の杖をふることをやめません。

ユナが魔法の杖を一ふり、二ふり、三ふり、しました。

すると、今度はバラやひまわり、朝顔(あさがお)までぽぽんっ!と咲いていきます!

「わぁ! かわいいっ!」

リリナはついそう声がもれてしまいました。

(ユナは、さっきお屋敷で会った時もお花を咲かせていたよね)

「ユナはお花が好きなの?」

リリナがそう()いかけると、ユナは恥ずかしそうにプイッと顔をそむけました。

「好きに決まっているじゃない……」

恥ずかしそうにしているユナはとってもかわいくて、リリナはうれしくなってしまいます。

「私もお花が大好きなのっ!」

リリナも魔法の杖をふって、お花をぽんっぽぽんっ!と咲かせます。

ユナはお花がふえて、うれしそうに目をキラキラとさせています。

しかし、途中で今はシューティングスターをさがしている最中(さいちゅう)と思い出して、ハッとしたようです。

「さすがレッドストーンね。でも、ジュエリーライトになるのは私よ」

ユナのもっているシューティングスターの袋は、お屋敷の前で見た時よりさらに大きくなっていました。

(どうしよう、このままじゃ……)

負けるつもりはないリリナですが、心に不安の芽ができてしまいます。

そんな不安をかき消すように、リリナは首をブンブンっとふりました。

(シューティングスターをもっと見つけるために、私もはやく丘の頂上にむかおう……!)

リリナはユナと別れて、ミミと一緒に丘をのぼっていきます。


※ここでしりとり迷路(山の頂上まで向かう迷路)


「わぁ! きれいっ!!」

丘の頂上についたリリナとミミ。

そこからは、魔法の国がみわたせます。

レンガ作りのおうちや魔法でぷかぷかと浮いているほうき、大きな時計台まで。

きれいな景色に、リリナは目をかがやかせながら、心をおどらせました。

しかし、もう太陽はしずんでしまっていました。

(はやくシューティングスターを見つけないとっ……!)

そんなあせるリリナを、さらにあわてさせるように、どこからか声が聞こえます。

「シューティングスターを見つかったの?」

リリナの前にまたユナがあらわれます。

リリナのシューティングスターがふえていないことに気づいたユナは、くすっとわらいました。

「私の勝ちみたいね」

リリナはギュッと両手をにぎりしめます。

(どうしたらいいの……?)


キランっ。


その時、まっくらな空が光ったのです。