第六章:連盟の日露戦争
【令和島】
滝沢は一人の被検体をねじ伏せ
もう一人に銃を向けていた
時間は止まったかのように見えた
ヴォルコフ:「ぐっ!」
その均衡を破ったのはヴォルコフだった
彼は内ポケットから銃を抜き滝沢を撃つ
だが滝沢の反応速度は神がかっていた
銃弾が放たれるより速く後方へバク転し
着地と同時にヴォルコフの腹へ撃ち返した
ドギューン!
ヴォルコフは腹を押さえ膝をつく
滝沢:「……防弾チョッキか」
ヴォルコフ:「何をしている!やれ!」
被検体の少年二人に命令が飛ぶ
滝沢:「悪いな」
滝沢の姿が消える
次の瞬間
一人の被検体の腹に強烈なボディーブローがめり込んだ
少年は胃の内容物を吐き出しその場に崩れ落ちる
もう一人の被検体には
顎を真横から殴りつけ脳を揺らし昏倒させた
ヴォルコフは無線機を掴み叫んだ
ヴォルコフ:「Операция: Урожай(ウーラジャーイ)!」
ヴォルコフ:「全員降りてこい!」
【璃夏が運転する車内】
夜の怜和島の奥へと車は進む
やがて門が見えた
車一台分だけが開いている
璃夏:「この門の先かな?」
イヴァン:「何か向こうの方に黒い物が見えるぞ」
璃夏はイヴァンが指さす方向を見て
門を車で通過する
しばらく進むと見慣れた滝沢の車が見えた
璃夏はそこで車を停める
彼女は後部座席から
アタッシュケース型のリュックを取り出した
璃夏:「私がスコープで状況を……」
その言葉を言い終わる前に
イヴァンは車のドアを蹴破るようにして飛び出した
そして闇に向かって全力で叫んだ
イヴァン:「タキィーーーーーッ!」
そのまま戦場のど真ん中へと
一直線に走っていった
璃夏:「……何なの!」
璃夏:「敵がどれだけいるかも分からないのに!」
彼女は悪態をつきながらも
手早くスナイパーライフルを組み立てる
そして開けた車のドアの付け根に
ライフルの銃身を固定し構えた
スコープを覗く
そこには信じられない光景が広がっていた
滝沢
倒れている二人の少年
腹を押さえたブラウンのコートの男
そして
デザートイーグル片手に雄叫びを上げて突進するイヴァン
璃夏:「え……?」
さらに
岸壁に横付けされた貨物船から
武装した兵士たちが
ぞろぞろと降りてくるのが見えた
璃夏:「今のところ滝沢さんは大丈夫そう」
璃夏:「問題は……イヴァンさん……」
璃夏:「あの人を守るように狙撃して援護しないと…」
スコープの中
感情のままに戦場を駆ける巨大な親友を見ながら
璃夏はふと思った
璃夏:(私の方が軍人に向いてるんじゃないかしら)
【令和島】
滝沢は一人の被検体をねじ伏せ
もう一人に銃を向けていた
時間は止まったかのように見えた
ヴォルコフ:「ぐっ!」
その均衡を破ったのはヴォルコフだった
彼は内ポケットから銃を抜き滝沢を撃つ
だが滝沢の反応速度は神がかっていた
銃弾が放たれるより速く後方へバク転し
着地と同時にヴォルコフの腹へ撃ち返した
ドギューン!
ヴォルコフは腹を押さえ膝をつく
滝沢:「……防弾チョッキか」
ヴォルコフ:「何をしている!やれ!」
被検体の少年二人に命令が飛ぶ
滝沢:「悪いな」
滝沢の姿が消える
次の瞬間
一人の被検体の腹に強烈なボディーブローがめり込んだ
少年は胃の内容物を吐き出しその場に崩れ落ちる
もう一人の被検体には
顎を真横から殴りつけ脳を揺らし昏倒させた
ヴォルコフは無線機を掴み叫んだ
ヴォルコフ:「Операция: Урожай(ウーラジャーイ)!」
ヴォルコフ:「全員降りてこい!」
【璃夏が運転する車内】
夜の怜和島の奥へと車は進む
やがて門が見えた
車一台分だけが開いている
璃夏:「この門の先かな?」
イヴァン:「何か向こうの方に黒い物が見えるぞ」
璃夏はイヴァンが指さす方向を見て
門を車で通過する
しばらく進むと見慣れた滝沢の車が見えた
璃夏はそこで車を停める
彼女は後部座席から
アタッシュケース型のリュックを取り出した
璃夏:「私がスコープで状況を……」
その言葉を言い終わる前に
イヴァンは車のドアを蹴破るようにして飛び出した
そして闇に向かって全力で叫んだ
イヴァン:「タキィーーーーーッ!」
そのまま戦場のど真ん中へと
一直線に走っていった
璃夏:「……何なの!」
璃夏:「敵がどれだけいるかも分からないのに!」
彼女は悪態をつきながらも
手早くスナイパーライフルを組み立てる
そして開けた車のドアの付け根に
ライフルの銃身を固定し構えた
スコープを覗く
そこには信じられない光景が広がっていた
滝沢
倒れている二人の少年
腹を押さえたブラウンのコートの男
そして
デザートイーグル片手に雄叫びを上げて突進するイヴァン
璃夏:「え……?」
さらに
岸壁に横付けされた貨物船から
武装した兵士たちが
ぞろぞろと降りてくるのが見えた
璃夏:「今のところ滝沢さんは大丈夫そう」
璃夏:「問題は……イヴァンさん……」
璃夏:「あの人を守るように狙撃して援護しないと…」
スコープの中
感情のままに戦場を駆ける巨大な親友を見ながら
璃夏はふと思った
璃夏:(私の方が軍人に向いてるんじゃないかしら)



