「あれが人間だよ。俺たちよりも体が弱くて、寿命も短いけど、男性体も女性体もたくさんいるんだ」
「…」
「シーラが母上以外の女性体を見たのは初めてかな?悪魔には なかなか女性体が生まれないからね」
話しかけられるまま、屋根の下に視線を向けると、ファンタジーアニメでしか見ることのない服装をした人々がたくさん道を行き交っていた。
それを見て、なつかしい、という思いと、あたしが知ってる“人間”はどこにもいないんだ、っていうさみしさが同時に湧き上がってくる。
舗装されていない道、石造りの建物。街並みまでアニメで見るような異世界の景観だ。
「うーんと…あぁ、あの人間が収穫どきかな。見える?シーラ」



