「いちにぇんに、いっこ?」
あたし、もしかして食べすぎ?と不安になってエヴァンの顔を見ると、笑って頭をなでられる。
「たくさん食べてもいいし、3、4年食べなくても問題ないよ。10年以上食べてないと命にかかわってくるけどね」
「しょーにゃんだ」
問題ないならよかった。
まぁ、問題があるなら そもそも、家族が何個も食べさせてなかったと思うけど。
悪魔の生態をひとつ知ったところで、屋敷の玄関に到着する。
ぞろぞろとついて来た使用人が重そうな大扉を開けて、あたしはやっぱりエヴァンにだっこされたまま、屋敷のなかにもどった。
悪魔の主食が生き物のタマシイだと知ってから、あたしは覚悟を決めている。
元人間とは言え、あたしの今世は悪魔。
寿命が長いなら、それこそ新しい生態に適応しないと、しんどくなるのは自分だし。



