【短】悪女、悪魔に転生する。



「そうだよ。俺たち悪魔にとって、毎日食べてる“ごはん”は、味を楽しむ娯楽(ごらく)。人間は生きるために ごはんを食べているけどね」




 本に書かれていたとおりの返答だ。

 悪魔にとっても、食事の回数は貧富(ひんぷ)の差で変わるらしいから、毎日3食、おやつまで食べている我が家は想像以上に裕福なのかもしれない。


 でも、本題はそこじゃなくて。

 “それなら、悪魔の命を(たも)つために必要なものは なんなのか”

 それも本に書かれていたとおりなら――生き物のタマシイだ。




「えばん、たまちいって、どんにゃもの?」


「シーラは かしこいね。もう本で読んだの?」




 エヴァンはとろけるように表情をくずして、飼い主が溺愛しているペットに向けるような笑みを浮かべた。

 こうやってネコかわいがりしてくるところが、今世の家族の苦手なところだ。