同学年だから、顔見知りでも見つけて2組が ならんでいる場所がわかったのか。
こっちのほうを見ながら紙切れをかるく持ち上げる天草を視界に収めて、私は思わず心からの声をもらした。
氷室冷那。この学校に通う女子のなかで、一番姫に興味がなかった自信のあるこの私が、よりによって姫にえらばれてしまったらしい。
「氷室さん?…あー、みなさん、ちょっと待っててくださいね」
こまったように笑って、天草は壇上から降りてくる。
まさか、こっちに来る気…?
近くにならぶおなじクラスの女子や男子にチラチラと視線を向けられ、私は顔をそらした。
「氷室さんって今日、休み?」
「えっと…」



