そんな夢ならもう一度会いたい

「…アイスで笑うと思ってるんですか?」

「ハーゲンダッツだったら笑った?」

だけど、悪くなかった。今の門倉先生は。

「ごめん、俺の給料じゃこれが限界」

ちょっと笑ってしまったから。

「なんですかそれ」

久しぶりに笑ったかも、学校でも家でも笑うことを忘れてたから。

「よし、帰るか!」

食べ終わったゴミをスッと私の手から取って、自分のゴミと一緒にまとめた門倉先生がドアの方へ歩き出した。

陽が沈み始めて少しづつ暗くなり始める。

そろそろ帰る、…か。

「明日も元気に学校来いよ!」

「……。」

「元気じゃなくても来い!」

「来ますよ、学校は」

門倉先生がドアを開けてくれたから先に中に入る。スクールバッグをかけ直して、階段を下りようと一歩踏み出した。

「学校ってさ、めんどくさいかもしれないけど行っといて損はないと思うぞ」

「…記憶ないんですよね?」

「ない!」

「何を根拠に言ってるんですか?」

マジでこの人なんなんだろ。

一瞬雰囲気に流されそうになったけど実はテキトーに言ってるだけなんじゃないの?先生ぽいことテキトーに…

「だって俺、毎日学校来てるもん」

なんでそこで笑うかな?嬉しそうに笑って…

「それは仕事ですよね?給料もらってるじゃないですか」

「やりがいあるぞ、高須もどうだ?」

「なりません!」

あ、やばい。つい力が入っちゃった。

「学校なんて大人になっても来たくないんで…っ」

力み過ぎた足と、思わず後ろを振り返って門倉先生の方を見てしまったから。


その瞬間、階段の上バランスを崩して…

ズルッと足を踏み外しっ


「高須!!!」

門倉先生が手を伸ばす、私の腕を掴んでグッと引っ張って。


あ、でも先生まで!



このままだと先生まで落ちちゃうからー…っ!?