そんな夢ならもう一度会いたい

実咲の胸の中はあったかくて、人のぬくもりってこんなにあったかかったんだって。それだけでまた涙がこぼれた。

「オレはお前に消えてほしくない」

もし10年先の未来で、門倉先生と同級生だったらどうなってたのかな?

先生と生徒じゃなくて、同じクラスの…

例えば隣の席だったら!


話しかけてくれたのかな?

仲良くしてくれたのかな?

私のこと名前で呼んでくれたのかな?


「天鞠、ここにいろ…っ」

「…っ」

「ずっとずっとここで…、一緒にいてほしい」

「…実咲っ」


好きになったりしてたのかな?

そんな未来があったらよかったのに。


抱きしめられた手がスッと頭をなでる。

少しかがんだ実咲と視線を交わして、近付く吐息を感じて目を閉じる。


静かに重なった唇に、息が出来ない。

このまま時間が止まればいいのに、そんな風に思いながら実咲を抱きしめた。