そんな夢ならもう一度会いたい

勝手に、手が伸びた。

押さえきれなかった。

止められなかった。


零れ落ちる涙が頬を伝って。



抱きしめたかったの、実咲を。



「実咲、死んじゃダメだから…っ!」


どうして記憶がなくなったのかわからない。

だけど実咲がそんな風に思ってるのはわかる。


実咲の心の叫びが聞こえる、痛いほどに伝わって来る。


「お願い死なないで、生きていてっ」


実咲の背中に手を回してぎゅっと抱きしめた。

力いっぱい、これでもかって言うほど強い力で。


離したくなかったの。


「生きてたら悲しいことも辛いことも、嫌なこともいっぱいあるけど…生きてるからいいこともあると思う」

こんなこと、思ったことあったかな?
そんなこと考えたことなかった。

「生きてるから誰かと出会って、分かち合うこともあると思う」

私だって諦めてたじゃないか、人生を。

「それっていいことだよ、きっと人生を変えてくれるから!」

でもね、諦めるにはまだ早いんだ。

だって私たちまだ高校生だから。


何でも出来る高校生なんだよ。


「実咲、きっと世界は変えられるよ…実咲は変えられると思う!」

そう教えてくれたのは実咲だよ。だから自信持って言えるよ。


「実咲はそんな人だよ」


だから生きて、未来で会いたいの。