そんな夢ならもう一度会いたい

すっかり遅くなってしまった。日の入りが遅い夏のはずなのに、よくもまぁこんな暗くなるまで遊んでた子供みたいに。濡れてた制服もすっかり乾いてた。

「あれ?」

家に帰って来た、実咲がドアに鍵を開けて電気をつけようとしたけどつかなくて。

「どしたの?」

「電気がつかねーんだけど…」

「なんで?昨日はついてたじゃん」

何度もカチカチしてもつかない、真っ暗な部屋のまま少し考え込んだ実咲がハッとした顔で私を見た。

「やべ、電気代払うの忘れてた!」

「え!?そんなことあるの!?」

払うの忘れたって何!?
じゃあ電気使えないってこと?

この真っ暗なまま…っ

「まぁいいか」

「よくないでしょ!」

謎の順応性を見せるんだから、普通に困るじゃん電気なかったら!
冷蔵庫も電子レンジもテレビも…

あ、テレビはないか!

でも冷蔵庫とか…
何も入ってなかったな。

じゃあいいのかな、特に…


いや、困るって絶対!


「電気代ってどうやって支払うの?」

「引き落とし」

「じゃあ引き落とされてないってこと?」

「残高がないんだろ」

え?…残高?

ん?

待って待って…

「実咲ってバイトしてる?」

「してない」

「株やってる?」

「やってねーよ」

じゃあ…
 
「この部屋って誰がお金払ってるの?」