そんな夢ならもう一度会いたい

今度は門倉が私に水をかけた。

しかも私よりいっぱい!私がやったのよりいっぱい…!

「ちょっと何すんの!」

「お前が先にやったんじゃねーか!」

「そっちはもう濡れてんじゃん!」

「……。」

「無言でかけてこないで!!」

門倉が水をかけてくるから私も仕返して、私がかけたら今度は門倉がやり返して。びしゃびしゃと水が舞う、10年後の世界より冷たい水はかかるたび気持ちがよかった。

「顔はなし!ノーカンだよ!」

「何のカウントだよ」

「ドッジでもそうじゃん」

「別に試合してねーよっ」

川なんか来て何するんだろって思ってた。
何が楽しいんだろうってテンション下がってた、だけど…


気付いたら何が楽しいわけでもないのに笑ってた。

私も門倉も、びちゃびちゃになりながら笑ってた。


なんだか本当に楽しくなってきちゃったんだ、ただこうして2人でいることが。



そんな顔で笑うんだね、門倉は。


意外といい顔してるじゃん、なんて。



「あ、天鞠危ないっ」

「!」

岩場で足を滑らせてバランスを崩した、でもその瞬間伸びて来た手が私の腕を掴んだ。

「あっぶな」

「…あり、がと」

全然ご飯食べてないのに、ひょろひょろなのに、私でも支えられるって思ったのに…そんな強い力なんだ。

でもそれでびっくりしたわけじゃない、急に名前を呼ばれたからドキッて心臓が疼いて。

「気を付けろよ、ここ石多くて危ねぇーから」

あ、なんだろこれ…

なんかやばい気がする。

「天鞠まで転んだら大変だ」

ドキドキ、心臓がうるさい。