そんな夢ならもう一度会いたい

「それどうしたの?なんで持ってる!?」

「…。」

とっことん無視かよっ

こっちの門倉、違う意味でむかつくかも。

鍵を使って開けたドアから外へ出て行く、同じようにこっそり屋上へ出た。

おぉー、ここはそんなに変わってない!

ちょっと汚れた部分もあるけどキレイだね、あっちの屋上もそんなに汚くはなかったし。掃除してたし、されてたから。

…でもフェンスは、ボロッ!
サビサビじゃん、ちょっとでももたれたら危なそうな雰囲気ある…
この10年で付け替えたんだ、このフェンスは。

「……。」

「…。」

門倉がじーっとフェンスを眺めてる。

そーいえば私もあっちの世界でよくここのフェンス眺めてた。ここのフェンスを登って向こう側へ行けたとしたら…

めんどくさくてそんなことを考えるのもやめてしまうんだけど、門倉はどうなのかな?

今何を思って…

「お前帰る家ねぇの?」

「え?」

「帰りたくないんだろ?」

ずっと喋らなかった門倉が口を開いた。
私の方を見て、やっぱり光のない瞳だった。

「帰りたくないって言うか…」

帰れない、が正解なんだけど。帰りたくても帰れない…

「あの家やるよ」