次の日、石黒くんに催促のメッセージを送ると、ようやく連絡が来て、その週の土曜日のお昼に石黒くんがマンションに来ることになった。
石黒くんの好きなオムライスを作っていると、インターホンが鳴る。画面に石黒くんの笑顔が映り、すぐにオートロックを解除して、玄関ドアの鍵も開けた。もう一度インターホンが鳴って、「玄関開いてるよ」と声をかけると、石黒くんが部屋に上がってくる。キッチンにいた私はエプロン姿で石黒くんと向かい合った。
「いらっしゃい。石黒くん」
「綾ちゃんの大好きなシュークリーム買って来たよ」
黒いTシャツ姿の石黒くんがコンビニの袋を差し出した。中にはシュークリームが二つ入っていた。
確かにシュークリームは好きだけど、一番好きなのはプリンだった。
「綾ちゃん、シュークリームが一番好きだったよね」
得意げな石黒くんの様子に何と言ったらいいかわからず、曖昧な笑みを浮かべた。
「ありがとう。今、お昼ご飯のオムライスが出来た所だよ」
「ケチャップのいい匂いがすると思ったら、オムライス作ってくれたんだ。綾ちゃんありがとう」
石黒くんが嬉しそうな笑みを浮かべ、リビングに足を向ける。
「おぉ! やっぱ広い。新しいし、景色もいいな」
ベランダに続くガラス戸前に石黒くんが立ち、珍しそうに外を眺めていた。
そんな石黒くんがのん気に思えて、少しムッとする。この広い部屋のために、私がどれだけ無理をして働いているか、きっと彼にはわからないだろう。
「駅からも近いし、ここ本当、立地いいね」
「うん。だから家賃も高くて」
「そうだよね。こんな所に住めるなんて夢みたい。綾ちゃん、見つけてくれてありがとう。俺、来週には引っ越してくるからさ」
以前だったら嬉しいと思った石黒くんの言葉に全く喜べない。それよりも、どうしようという気持ちが広がる。
それに石黒くんの言葉はもう信じられない。引っ越してくると言って、本当に引っ越してくるのだろうか?
私の機嫌を取るために言ってるのではないだろうか?
石黒くんの好きなオムライスを作っていると、インターホンが鳴る。画面に石黒くんの笑顔が映り、すぐにオートロックを解除して、玄関ドアの鍵も開けた。もう一度インターホンが鳴って、「玄関開いてるよ」と声をかけると、石黒くんが部屋に上がってくる。キッチンにいた私はエプロン姿で石黒くんと向かい合った。
「いらっしゃい。石黒くん」
「綾ちゃんの大好きなシュークリーム買って来たよ」
黒いTシャツ姿の石黒くんがコンビニの袋を差し出した。中にはシュークリームが二つ入っていた。
確かにシュークリームは好きだけど、一番好きなのはプリンだった。
「綾ちゃん、シュークリームが一番好きだったよね」
得意げな石黒くんの様子に何と言ったらいいかわからず、曖昧な笑みを浮かべた。
「ありがとう。今、お昼ご飯のオムライスが出来た所だよ」
「ケチャップのいい匂いがすると思ったら、オムライス作ってくれたんだ。綾ちゃんありがとう」
石黒くんが嬉しそうな笑みを浮かべ、リビングに足を向ける。
「おぉ! やっぱ広い。新しいし、景色もいいな」
ベランダに続くガラス戸前に石黒くんが立ち、珍しそうに外を眺めていた。
そんな石黒くんがのん気に思えて、少しムッとする。この広い部屋のために、私がどれだけ無理をして働いているか、きっと彼にはわからないだろう。
「駅からも近いし、ここ本当、立地いいね」
「うん。だから家賃も高くて」
「そうだよね。こんな所に住めるなんて夢みたい。綾ちゃん、見つけてくれてありがとう。俺、来週には引っ越してくるからさ」
以前だったら嬉しいと思った石黒くんの言葉に全く喜べない。それよりも、どうしようという気持ちが広がる。
それに石黒くんの言葉はもう信じられない。引っ越してくると言って、本当に引っ越してくるのだろうか?
私の機嫌を取るために言ってるのではないだろうか?



