そのお悩み、私たちの能力で解決します!


「で、部活をはじめるにあたって、あとはなにが必要なんだ?」

 そうだった!
 すっかり話がそれてしまっていたけれど、ひとの役に立つにはどうしたらいいんだろう?どうやったら困っているひとの力になれるんだろう?
 その話が途中のままだった。

「俺たちの力で、困ってるひとの手助けができたらいいって思ってて、でもその困ったひとってどうやって探したらいいのか、って話し合ってたんだ」
「街中歩いてみたりして、探してみるとか?」
「よくもまぁ、そんな他人のためにがんばれるな」

 少し呆れたようにため息をついた蓮詞は、こう提案した。

「それなら、目安箱みたいな、お悩み相談BOXでも作ったらどうだ?」
「「お悩み相談BOX?」」

 私と五月くんはふたりそろって首を傾げる。

「廊下に箱とメモ帳を置いておいて、助けが必要なひと、悩みを相談したいひとに書いてもらうんだ。外での人助けも大事だろうが、まずは校内からはじめてみたらどうだ?」
「なるほど!!」

 私と五月くんは蓮詞のアイデアに賞賛の拍手をおくる。

「蓮詞すごい!それっていいアイデアかも!」
「まずは身近なひとの助けになる、うん!すげー大事なことだよな!」

 私たちのきらきらした眼差しに少し居心地悪そうな蓮詞。

「そんなにすごい意見じゃないと思うが……。まぁ、悩んでいるならやってみてもいいと思う」
「うん!さっそくやってみよう!」

 そんなわけで、お悩み解決部は、お悩み相談BOXを設置することにした。
 校内の各所に小さな箱と、メモ用紙を置いておく。
 そこに、こんなポスターも一緒に貼っておいた。



『悩みがあるひと、手助けが必要なひと、そのお困りごと
 お悩み解決部が解決します!』