そのお悩み、私たちの能力で解決します!


 私と桜彩ちゃんは地学準備室へ戻りながら、依頼の成功を喜び合いました。

「無事カップケーキができてよかったね!」
「はい!」

 それから櫻井さんのカップケーキ作りは、最初の失敗はなんだったのかと思うほどに順調で、美味しく見た目もとってもかわいいカップケーキができたのでした。
 最後にお礼を言ってくれた、櫻井さんの嬉しそうな笑顔がまぶたに焼きついています。

「ただいまー!」
「ただいま戻りました」

 私と桜彩ちゃんが地学室のドアを開けると、旭日くんと藤村くんが机に突っ伏していました。

「五月くん?蓮詞?どうかしたの?」

 桜彩ちゃんと私がふたりに駆け寄ると、ふたりはものすごく疲れたような顔を上げました。

「おー、桜彩お疲れ~。北條さんも……」
「お疲れさま!で、ふたりはどんな相談をこなしてたの?」

 桜彩ちゃんの質問に、ようやく顔を上げた藤村くんが答えます。

「陸上部が来年の新入生に向けた練習メニューを考えていて、なんの経験もない新入生がこなすにはこの練習メニューはきついか、そうでないか、試してくれと」
「うわぁ、蓮詞にとってはきつい相談だったね……」
「俺でさえけっこーきつかった!」
「五月くんでだめなら、メニューは見直し?」
「そのようだ。お悩み解決部として、こんなことは言いたくないが、正直きついからもう相談は出さないでほしい……」

 めずらしくとても弱気な藤村くんに、桜彩ちゃんはあははと笑います。

「あ、そうだ!ふたりとも、これ食べる?」

 桜彩ちゃんは持っていたカップケーキの入った袋をふたりの前に置きました。

「お!カップケーキ!」
「さっき櫻井さんと一緒に作った残りだけど!たくさんあるから、みんなで食べようと思って!」

 旭日くんだけでなく、藤村くんもカップケーキにばっと反応しました。

「うまそー!さっそく食べていい?」
「もちろん!」
「俺も食べる」

 ふたりは相当疲れていたのか、甘いカップケーキに元気を取り戻したみたいでした。

「ん!うまい!」
「それ、私が作ったやつだよ~」
「うまいな」

 旭日くんと藤村くんが嬉しそうに桜彩ちゃんのカップケーキを食べていて、はっとします。

「私も!桜彩ちゃんの手作りカップケーキ食べたいです!」

 私も慌てて、ふたりと一緒にカップケーキを食べはじめたのでした。