レナとまほうの歌のプリンセス~いっしょに歌えばみんな友だち!~

 カノン姫に案内されたのは、ホルンのように丸いテーブル。そこに、ティーセットが用意されていました。

「どうぞ。おかけになって」
「し、失礼します」

 レナが座るソファにはドラムの形をしたクッションが敷かれていました。とてもふかふかの座り心地に跳びはねたくなります。ですが、ここはじっとがまん。マナーを守れずにカノン姫をがっかりさせるわけにはいきません。

「さて、レナさん。どんなお菓子を召し上がる?」
「ええと……」

 とつぜん聞かれても、レナには答えられません。しかもお姫さまとのお茶会にふさわしいものなんて、ちんぷんかんぷんです。
 すると、カノン姫はとある楽器を持ってきました。ヴァイオリンです。

「これは魔法のヴァイオリン。音にみちびかれてお菓子がやってくるのよ」
「音に……?」
「まずはお手本を見せますわ」

 カノン姫はヴァイオリンを弾く構えをします。ボウを弦にすべらせました。

「たとえば、ド」

 ドの音が響きました。すると……

 ポンっ!

 カノン姫のお皿にドーナツが乗っていたのです!

「ええっ!?」
「ね? 簡単でしょう。レナさんもやってみて」

 カノン姫はヴァイオリンを渡してくれました。しかし、レナはヴァイオリンを弾いたことはありません。

「わ、私……ヴァイオリンなんて弾けなくて……どうやったら音が鳴るかもわからないです」
「大丈夫。これはまほうのヴァイオリンだもの。食べたいものを思い浮かべて……こう弾くの」

 カノン姫はレナの手をそっと握って手伝ってくれました。その手のやわらかさに、レナはとっさにシフォンケーキを思い浮かべます。
 シの音がきれいに鳴り響きました。

 ぽこんっ!
 
 するとレナのお皿にシフォンケーキがあらわれました。

「うわあっ、できた!」
「ね? かんたんでしょう」

 カノン姫はやさしくほほえんでくれました。初めて会った時のつんとした顔はどこにもありません。
 それからふたりは順番にヴァイオリンを弾き、出したお菓子をお互いに食べることになりました。
 カノン姫のドーナツはさくさくとした歯ごたえで元気が湧いてきて、レナのシフォンケーキはふんわり優しい味がします。

〈やってみよう!〉
 心理テストだよ。
 次の4つから、食べたいものをえらんでみよう。
 キミがまわりからどんな風に見られているかわかるかもしれないよ。
 A:ドーナツ
 B:ショートケーキ
 C:ミルクレープ
 D:ラズベリーパイ

 Aをえらんだキミは、いつもみんなの中心にいる人気者!周りのことをよく考えられる優しい子だね。
 Bをえらんだキミは、しっかりもののがんばり屋さん。キミの努力はみんなが見ているよ。
 Cをえらんだキミは、センスが光るオシャレさん。流行をうまく自分のものにしているんじゃないかな。
 Dをえらんだキミは、ちょっぴりオトナっぽくてミステリアス。そんなキミは憧れのまとだね!