部屋に入る時にずらりと並んだ執事やメイドさんがいた。多分、逃げようとしたら止められるっ……。


「みおちゃんの好きなショートケーキ持ってくるから、待ってて」

「えっ……あ、うん……」


変だな、いつもの由良くんなら誰かに持って来させそうなのに……怖い……。



ビクビクしながら、ソファの隅で縮こまっていた。


どうやって帰ろうか……。





数分経って、由良くんが戻ってきた。ショートケーキとティーカップをお盆の上に乗せて……。



「ただいま、みおちゃん」

「……」

「ほら、みおちゃんの好きなショートケーキだよ?」


私がショートケーキ好きだって、しかも駅前のちょっと贅沢なお店のがいいって知ってるの、ムカつくっ……。


「うん……」

「食べてくれる?」

「っ……」


最近、あんまり食べてなかったから……食べたい……!!


はぁぁ、でもこれは悪魔の囁きなの!



「じゃあ、食べさせてあげようか?ほらあーん」

「え?あ、あーん……」