「……甘いねぇ、みおちゃん」

「さ、触らないでよっ……!!」


振り払おうとしても無駄だ。がっちり包まれたほっぺは、動くことすら許してくれない。胸を一生懸命叩いても、背の高い彼には敵わない……。



「じゃあ、一緒に帰ろっか」

「帰らない……!」

「僕たちのおうちだよ?楽しみだね。いっぱい、愛されようね」




嫌だと言うだけ無駄だとわかっていた。だけど、だめだ……!!


「嫌だ!」

「……」


冷たい視線が私に向けられる。


「っ……」






「ここに座っててね」


ソファーに案内されて、ひとまず座った。


私は圧に負けて、見事に家に連れ込まれてしまったのだ。


気が気じゃない……怖い、帰りたいっ……!