「今回はどのようにしましょうか、町の噂では甲府は⼤変な被害だということです」
厳しい表情の使⽤⼈⻑に対して、⾨番は顎に⼿を当てて考え込んでいる。
「今⽇も私が参ります」
「いや、よせ。私が⾏こう」
⼩野⽊は使⽤⼈が声を上げると直ぐにそれを否定した。
「今回ばかりはどうなっているのか分からない。相当の被害が出ているというのであれば甲府はきっと焼け切っている、未だ燻っている箇所もあるだろうから危険だ」
「でも……」
使⽤⼈は俯いた様⼦であるが、使⽤⼈⻑は彼⼥の肩に⼿を当てて⾔った。
「⼩野⽊さんの仰る通り、向うはどうなっているのか分からないわ。 貴⼥では危険なことがあった時に対処できないかもしれません……被害に巻き込まれるくらいであれば、ここは⼩野⽊さんにお任せしたほうが私も安⼼だわ。今⽇は普段通り屋敷の仕事をして頂戴……そうだ、⼩野⽊さんに甲府に⾏ってもらっている間の⾨番が要るわね。 交代で⾒張をしましょうか……⼀度全員を此処に集めましょう。みんなを呼んできてくれるかしら」
「かしこまりました」
使⽤⼈が台所に向かったところで、⼩野⽊は使⽤⼈⻑に⽿打ちをした。
「⼤丈夫か、君達使⽤⼈に⾨番の仕事が務まるかい」
「ええ、 勿論ですとも……あの⼦等も此の頃練兵場で訓練を受けておりますから、⾒張り程度は出来るでしょう。 何か有りましたら私が責任を持って対応いたしますので、⼩野⽊さんは早く甲府へ」
使⽤⼈⻑は相変わらずきりりとした表情である。⼩野⽊は深い溜息を吐いて答えた。
「そうか……では、⾨番の仕事は君達に任せるとして私は甲府へ⾏くとしよう」
「はあ、お気をつけて」
厳しい表情の使⽤⼈⻑に対して、⾨番は顎に⼿を当てて考え込んでいる。
「今⽇も私が参ります」
「いや、よせ。私が⾏こう」
⼩野⽊は使⽤⼈が声を上げると直ぐにそれを否定した。
「今回ばかりはどうなっているのか分からない。相当の被害が出ているというのであれば甲府はきっと焼け切っている、未だ燻っている箇所もあるだろうから危険だ」
「でも……」
使⽤⼈は俯いた様⼦であるが、使⽤⼈⻑は彼⼥の肩に⼿を当てて⾔った。
「⼩野⽊さんの仰る通り、向うはどうなっているのか分からないわ。 貴⼥では危険なことがあった時に対処できないかもしれません……被害に巻き込まれるくらいであれば、ここは⼩野⽊さんにお任せしたほうが私も安⼼だわ。今⽇は普段通り屋敷の仕事をして頂戴……そうだ、⼩野⽊さんに甲府に⾏ってもらっている間の⾨番が要るわね。 交代で⾒張をしましょうか……⼀度全員を此処に集めましょう。みんなを呼んできてくれるかしら」
「かしこまりました」
使⽤⼈が台所に向かったところで、⼩野⽊は使⽤⼈⻑に⽿打ちをした。
「⼤丈夫か、君達使⽤⼈に⾨番の仕事が務まるかい」
「ええ、 勿論ですとも……あの⼦等も此の頃練兵場で訓練を受けておりますから、⾒張り程度は出来るでしょう。 何か有りましたら私が責任を持って対応いたしますので、⼩野⽊さんは早く甲府へ」
使⽤⼈⻑は相変わらずきりりとした表情である。⼩野⽊は深い溜息を吐いて答えた。
「そうか……では、⾨番の仕事は君達に任せるとして私は甲府へ⾏くとしよう」
「はあ、お気をつけて」



