⼀⽅の正博の表情は⼀⼨たりとも動く様⼦を⾒せない。
「俺のことは気にするな、 俺が気になるのは君のことだ、幸枝さん。 君は本当に聡明で可憐で美しい素敵な⼥性で、 俺は正直すっかり君に⾸っ丈だ。しかし、 君にはあの伊坂⼯業の御令嬢という⽴場があるだろう。 俺としてはまだこの街には危険が多いから、そんな君を守りたいという気持はあるのだが、⼀⽅で君に世間から疎まれる俺なんかが付いて回って良いものかと不安になるんだ。 嫌なら断ってくれて構わない、寧ろそうしてくれるほうが助かる」
「……⻑津さんは、どうしてそんなに私のことを気がけて下さるんですか?⻑津さんのお気持も分かりますが……もし仮に私が今の⻑津さんを嫌うというのならば、きっと私は此処には居りません。もしかすると、 私は、まだ⽣きていると思われる知⼈を訪ねて夜通し東京の街を歩き回っていたでしょう、しかし、 私には⻑津さんという私を想い守って下さる⽅が居る……どうして貴⽅の元を離れることができるでしょうか」
正博は幸枝が話し終わったところで、⽬を逸らしながら呟いた。
「確かに、 俺は幸枝さんにとっては使い勝⼿の良い⼈間かもしれないな。 数年来の関わりの中で俺は君を想い守り続けてきた。これは紛れもない事実だ」
「そんなつもりは……」
やや落ち込んだような表情を⾒せた正博を前に、幸枝は乗り出すような勢いで否定する。
「いいんだ、気にするな。 君を想うも守るも全て俺の⾃由意志だからな。幸枝さん、 俺は君にどう思われようといいんだ。それでも俺は幸枝さんを守りたいと思う」
「俺のことは気にするな、 俺が気になるのは君のことだ、幸枝さん。 君は本当に聡明で可憐で美しい素敵な⼥性で、 俺は正直すっかり君に⾸っ丈だ。しかし、 君にはあの伊坂⼯業の御令嬢という⽴場があるだろう。 俺としてはまだこの街には危険が多いから、そんな君を守りたいという気持はあるのだが、⼀⽅で君に世間から疎まれる俺なんかが付いて回って良いものかと不安になるんだ。 嫌なら断ってくれて構わない、寧ろそうしてくれるほうが助かる」
「……⻑津さんは、どうしてそんなに私のことを気がけて下さるんですか?⻑津さんのお気持も分かりますが……もし仮に私が今の⻑津さんを嫌うというのならば、きっと私は此処には居りません。もしかすると、 私は、まだ⽣きていると思われる知⼈を訪ねて夜通し東京の街を歩き回っていたでしょう、しかし、 私には⻑津さんという私を想い守って下さる⽅が居る……どうして貴⽅の元を離れることができるでしょうか」
正博は幸枝が話し終わったところで、⽬を逸らしながら呟いた。
「確かに、 俺は幸枝さんにとっては使い勝⼿の良い⼈間かもしれないな。 数年来の関わりの中で俺は君を想い守り続けてきた。これは紛れもない事実だ」
「そんなつもりは……」
やや落ち込んだような表情を⾒せた正博を前に、幸枝は乗り出すような勢いで否定する。
「いいんだ、気にするな。 君を想うも守るも全て俺の⾃由意志だからな。幸枝さん、 俺は君にどう思われようといいんだ。それでも俺は幸枝さんを守りたいと思う」



