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放課後。
校舎の裏庭でふたりきり、沈む夕日に照らされながら、凛は語りはじめた。
「……最近、学校周辺に“不自然な動き”がある。監視カメラには映っていないが、警備範囲外に足跡の痕跡。
そして、ある生徒の自宅に、不審な手紙が届いた。差出人は不明。ただの嫌がらせかもしれない。……けど」
「……総理の息子である僕を狙った動き、かもしれないってこと?」
凛は頷いた。
「可能性はある。……それでも、私はここに残る。君の傍に」
悠翔の目が、大きく見開かれる。
「それって……」
凛は、顔を少し背けたまま、微かに口元をほころばせた。
「それが、私の“任務”であっても、君といたいと思ったのは――
任務だからじゃない。……私の意思だ」



