誰にも言うなよ ~結婚式の後始末~

 


 もう昼休みも終わる。

 急いで心凪は明巳に脱がせてもらったマネキンの服を着てみていた。

 みんな更衣室付近に集まっているので、ちょっと離れた場所で、ほたるたちは実里と話す。

「なんか玉の輿でよかったわね」

 ああ、結局、実家も金持ちだったんだっけ?
と実里は言う。

「いや、お金は別にあれなんですけど……」
とほたるは言ったが、実里は、

「お金――
 それは、なんにでも変えられる紙」
と夢見るように呟く。

「なんにでもは無理じゃないかと……」

「あって困るもんじゃないわよ。
 啓介さんと結婚したころは貧乏だったわ~。

 お互い、実家は頼らないようにしてたし」

 そんな感じで支え合ってたのに、別れてしまうんですね……。