好きとキスの嵐

あんなことがあってから、俺たちは平穏な日常を過ごしていた。

そして、お決まりのルーティンが出来た。

互いに沢山の「好き」を言い合って、恥ずかしがる彼女へ所構わずキスを落として…。

その度にいつも、「もー!大智くん! 」

と、怒られる。

だから、最初こそ興味津々で外野の鬱陶しい視線や、声が聞こえてきたけれど…今はもう周知のこととして、俺たちの関係は成り立っていた。


この前は、彼女の席に座って、そのまま自分の上にちょこんと座らせたら、「…ふにゃっ?!」なんて可愛らしい声を出して真っ赤になった所を、スマホで撮るとぽかぽかと胸の辺りを叩かれて、「けーしーて!」と騒がれたのを見ていた俺の親友(?)の岡部が飽きれたように、

「お前って本当に仲野に対してだけ甘いのな」


なんて当たり前のことを言ってくる。

は?

そんなの当然だろ?

なんせ由希は、俺のマイスィートハニーなんだから。


と言う顔でもしていたのか、


「はいはい。ご馳走さん」


と、自分の席に戻って行った。


「んー…由希、今岡部のこと見た?」

「大智くんに目隠しされてるのに、見られるわけないでしょ〜」

「そっか。なら良かった」

「ね、ねぇ」

「んー?なぁに?」

「そ、そろそろ降ろして欲しいなぁ、なんて…?」


そう、うりゅうりゅの上目遣いでお願いされて、俺ははぁー…と溜息を吐いた。


「あのさぁ?なんでそんなにいちいち可愛いの?ほんと、俺を如何したいの、由希は?」


と言えば、負けじとばかりに、ぷんっと怒って、


「それは、大智くんが格好良すぎるのがいけないの!」


と、なんともちょっとズレた返事が返ってきた。


俺の人格が崩壊したのは、絶対に彼女のせいだから、彼女にも俺と同じくらいでいてもらわないとね。

今は、茶々を入れるやつも、彼女に危害を加えるやつもいないし(え、如何やって根絶させたって?それは、ナ、イ、ショ)

幸せだなぁ、と思う毎日だ。

彼女のお陰で代表メンバーにも入れたし、あとは試合に勝って…彼女との"約束"を果たすだけ。


さぁ…気合い入れて頑張りますか。