ジジジッ
なんとなく、セミの鳴き声が変化した頃。
まだまだ酷暑とかいうレベルどころじゃない、延々と終わることないような気がして、気が遠くなる夏。
昨日は、試合があったのだけれど、ギャラリーがこれまた煩すぎて、集中するのに大変量力を使った。
大体、試合してんのに、サーブ前に『ファンサ』して欲しいとか、色々書いたうちわ振るか?
や、普通に応援してくれんのは、有り難い。
けど、俺たちはアイドルでも何でもないわけだから、そんなファンサとか…やってるような余裕は全く無くて。
まあ、結果的にストレート勝ちしたから良かったものの、もしも負けたとなったら、ずっと一生懸命チームの為に尽くしてくれているマネージャー基、彼女に申し訳無い。
今日も、昨日の課題を引っ提げて、二対二のクロスレシーブ練習をしたり、クイックなんかの戦略を立てながら軽い練習試合をし始めた頃。
スポドリを抱えながらポニーテールを揺らして、
「今日も暑いので、早めの休憩取って下さい〜。あ、あと監督からの伝言とスコア記録の確認も、各自目を通しておいて下さい〜」
なんて、てとてと、みたいな小走りをして来た彼女に向けて、チームが口々に感謝を言っていた。
何をしてても、可愛いって、ある意味天才じゃん。
あーもー。
みんな彼女を視界に入れんな。
まじで減るだろ!
そう思って、カノジョの腕をかるく引いた。
「なぁに?大智ぬん?」
「ポニテ可愛い。でも…あんまり、可愛いってとこ、他のやつに見せないでよ。俺の由希がめちゃくちゃ減るから」
「んー…私のこと買い被り過ぎだよ?私は普通だもん」
「俺がやなの。ほんと、可愛すぎるのやめて」
そんなやり取りをしてる間を割くようにして、岡部と佐々木のコンビが茶々を入れてくる。
「仲野ー!ほんとにこんなヤツでいいのかぁー?」
「めっちゃ重いしなー。しかも嫉妬深いっちゃありゃしねーし」
それを受けて彼女は、二人にきょとんとした顔をしてから、
「そうなのかなぁ?私初恋だし、初彼だし…大智くんだけでいいなって」
こてん
首を傾げて二人にそう言うと、じゃあ私残りの時間でタオル洗濯してくるねー!
と、行ってしまった。
残された俺ら三人…。
俺はフリーズ。
岡部と佐々木は顔を見合わせてから、ケラケラと笑い出した。
「なんだ、お前めちゃくちゃ愛されてんな。まぁまぁ照れるな、照れるな。あれは確かにお前がそうなるのも分かる気がするわ」
うるせぇよ。
マジで人の気も知らないで。
つか、何回も可愛い爆弾を落とされて、必死でそれを上回るように色々頑張ってんのに…。
「…ちっとも、勝てる気がしねぇー…」
そう呟いたら、やっぱり佐々木と岡部の息の合った笑い声が、体育館に響いた。
俺、如何したら、勝てんだろ。
何時も俺の方が何倍も上手でいるはずなのに、いつの間にか形勢逆転してしまっていて、赤面を要されるのは俺の方。
でも、それが心地良いんだから、もう降参しかない。
なぁ、由希?
こんなに好きにならせてどうすんの?
なんとなく、セミの鳴き声が変化した頃。
まだまだ酷暑とかいうレベルどころじゃない、延々と終わることないような気がして、気が遠くなる夏。
昨日は、試合があったのだけれど、ギャラリーがこれまた煩すぎて、集中するのに大変量力を使った。
大体、試合してんのに、サーブ前に『ファンサ』して欲しいとか、色々書いたうちわ振るか?
や、普通に応援してくれんのは、有り難い。
けど、俺たちはアイドルでも何でもないわけだから、そんなファンサとか…やってるような余裕は全く無くて。
まあ、結果的にストレート勝ちしたから良かったものの、もしも負けたとなったら、ずっと一生懸命チームの為に尽くしてくれているマネージャー基、彼女に申し訳無い。
今日も、昨日の課題を引っ提げて、二対二のクロスレシーブ練習をしたり、クイックなんかの戦略を立てながら軽い練習試合をし始めた頃。
スポドリを抱えながらポニーテールを揺らして、
「今日も暑いので、早めの休憩取って下さい〜。あ、あと監督からの伝言とスコア記録の確認も、各自目を通しておいて下さい〜」
なんて、てとてと、みたいな小走りをして来た彼女に向けて、チームが口々に感謝を言っていた。
何をしてても、可愛いって、ある意味天才じゃん。
あーもー。
みんな彼女を視界に入れんな。
まじで減るだろ!
そう思って、カノジョの腕をかるく引いた。
「なぁに?大智ぬん?」
「ポニテ可愛い。でも…あんまり、可愛いってとこ、他のやつに見せないでよ。俺の由希がめちゃくちゃ減るから」
「んー…私のこと買い被り過ぎだよ?私は普通だもん」
「俺がやなの。ほんと、可愛すぎるのやめて」
そんなやり取りをしてる間を割くようにして、岡部と佐々木のコンビが茶々を入れてくる。
「仲野ー!ほんとにこんなヤツでいいのかぁー?」
「めっちゃ重いしなー。しかも嫉妬深いっちゃありゃしねーし」
それを受けて彼女は、二人にきょとんとした顔をしてから、
「そうなのかなぁ?私初恋だし、初彼だし…大智くんだけでいいなって」
こてん
首を傾げて二人にそう言うと、じゃあ私残りの時間でタオル洗濯してくるねー!
と、行ってしまった。
残された俺ら三人…。
俺はフリーズ。
岡部と佐々木は顔を見合わせてから、ケラケラと笑い出した。
「なんだ、お前めちゃくちゃ愛されてんな。まぁまぁ照れるな、照れるな。あれは確かにお前がそうなるのも分かる気がするわ」
うるせぇよ。
マジで人の気も知らないで。
つか、何回も可愛い爆弾を落とされて、必死でそれを上回るように色々頑張ってんのに…。
「…ちっとも、勝てる気がしねぇー…」
そう呟いたら、やっぱり佐々木と岡部の息の合った笑い声が、体育館に響いた。
俺、如何したら、勝てんだろ。
何時も俺の方が何倍も上手でいるはずなのに、いつの間にか形勢逆転してしまっていて、赤面を要されるのは俺の方。
でも、それが心地良いんだから、もう降参しかない。
なぁ、由希?
こんなに好きにならせてどうすんの?



