光の先に、ステージがある(男装アイドルめざします!!)

「三人とも、ご飯よ~」

しばらく会話に花を咲かせていると、母がキッチンから顔をのぞかせて私たちを呼んだ。

「「は~い」」

「……」

二人は母に返事する中、私は無言でダイニングの席に着く。

「「「いただきます」」」

三人で声を合わせてそう言い、朝食に手を付ける。

サンドウィッチにサラダにヨーグルトにコーンポタージュ。
ザ・健康的な朝食って感じで、母が毎朝手作りしてくれるもの。

「今日もいっぱい!」

「おいしい~」

名衣と名緒が母にそう言っている間にパクパクと食べ進める。

「ごちそうさま」

朝食が始まって十五分も経たないうちにそう言って、空になった食器を持ち立ち上がった。

食器を台所のシンクに置いて水につけていると、母が「いつもありがとうね~10時には家を出るから準備しておいて頂戴ね」と言う。

「……はいはい」

そう適当に返事して部屋に戻った。

準備するってことだし、恥かかない程度で適当な服着ればいいか、という考えで上はTシャツに大きめのパーカーで、下はジーパンと言うラフな格好になった。
髪は耳くらいの位置で適当に結い、パーカーのポケットに財布とスマホだけ突っ込む。

私は正直どんな服でもいいけれど、あまりフリフリしすぎていたり性に合わないワンピースやスカートだったりの服装は避けて、普段はボーイッシュな恰好をしている。

部屋を出て、洗面所に向かった。

歯ブラシに歯磨き粉を付けて歯を磨く。
シャカシャカと鏡を見ながら磨くけど、視線は自分の顔に行っていた。

父に似た少しばかり彫りが深い顔立ち。
けれどパーツは母とほとんど同じで、ほんの少しだけ垂れているクリクリした大きな目に小さい鼻。
そして、ピンクに染まる小ぶりの唇。

髪は腰まであり、少しふんわりしたストレート。

口を「イ」の形にすると、チラリと八重歯が見える。

まだ少しだけ幼さが残る透明感のある中性的な顔立ち。

世間一般でこれを美人、顔立ちが整っている、と言う。

「私は周りの目なんてどうでもいいんだけどね」