光の先に、ステージがある(男装アイドルめざします!!)

キリリとした大きなツリ目に小さな鼻、赤く染まった小ぶりの唇。
そして、左目の下にある泣きぼくろ。

スラッとしたモデル体型、陶器のように白くできもの一つない肌。

かわいいと言うよりかは、かっこいいと言うべきである美人。
芸能界にデビューすれば爆速で人気急上昇、トップクラスの芸能人になれるレベルの彼女。

「……なるほどね~。じゃあこの子の髪を切ったり服を合わせたりして男の子、男装させればいいってことなのね」

私が彼女を観察している間に話が終わっていたのか、そう言ってこちらを見た。

「私、新垣(にいかき)(みやび)。朔良ちゃんの地元の後輩で、マスターの設立と同時期から所属している子たちのメイクアップや散髪なんかを担当させてもらってるの。よろしくね、絃ちゃん」

柔らかく微笑んだ雅さんは、母と近い歳のはずなのに雰囲気とは違ってどことなく幼いような気がする。

「今日は髪と服の準備をするって聞いてるから、まずは鏡の前のあの椅子に座ってね。散髪が終了したらその次に服のセットアップ。明日以降にやるその他諸々もここで全部揃うから、そのつもりでよろしくね」

雅さんはそう言いながら、私の背中を押して鏡前に促した。

私を椅子に座らせた後は手際よく、タオル、ネックシャッター、ヘアーエプロンの順でセットされる。

「どうしましょう。髪はサラサラなストレートロングだけど……少しクルッともしているのよね……」

雅さんは私の髪を触りながらブツブツと何か一人で呟く。

「絃ちゃん、やっぱり今日ですべて済ませちゃうことにするわ。終わるまでこの周辺でお茶したりお買い物したりして待っておくから~」

雅さんが髪を触りながら考えている間に、母は急に意味がわからない、自己中なことを言ってお店を出て行ってしまった。

「あらあら、朔良ちゃんって時々我儘なところがあるのよね~。絃ちゃんも大変でしょう」

私が母が出て行った店の扉をキッと睨み付けていると、雅さんが鏡越しに私の顔を見ながらそう言ってくる。