隠れスー女の恋の行方




「……好き。澪が、嬉しそうに相撲を見てる顔、俺、ほんとに好きだ」

「……!」


耳まで真っ赤になった澪は、言葉もなく頷いた。

開場後の館内は、熱気に包まれていた。

澪と神崎は、兄から譲られた“前から五列目”の席に並んで座る。

土俵上では、少年相撲の演武が行われ、場内はあたたかな拍手で満ちている。